物理学科の概要

 私たちは様々な自然現象を観察したり経験します。 それぞれについて「どうしてそのような現象が起こるのか」、 その必然性を自然の成り立ちの基本に戻って理解しようとするのが物理学です。 従って、物理学では様々な自然現象の示す法則性を、より統一的な法則性を求めて探求します。 このため、極微の素粒子や原子核の性質から宇宙の構造や進化などまであらゆる自然現象が物理学の対象になります。 素粒子の性質を詳しく調べていくと宇宙の進化にまで話が進みます。 逆に宇宙を観察していると素粒子のまだ分かっていない性質のヒントが得られることもあります。 このことは統一的に自然現象を観察することの重要性を示しています。 また、自然現象を基本に戻って考えれば、物質の新しい性質の発見にもつながります。 物理学は現代の先端技術を支える基礎でもあるのです。 トランジスター、コンピューター、レーザーなどの技術の基礎となっているのは物質の性質を探求する物性物理学です。 この分野の研究の目標は、物質の持つ様々な性質を 多数の原子や電子の集合の振舞いという視点から 統一的に理解することです。 高温超伝導体に象徴されるように、この分野の発展は私たちの生活に これからも大きな関わりを持ち続けることでしょう。

 本学科での教育は、このような現代の物理学を理解するための基礎を身につける事を目標にしています。 自然現象を根本的、統一的に理解するのが物理学の目的ですから教育においても、断片的知識の集積でなく、 常に基本にもどって考える態度を身につけるところに重点が置かれています。 私たちの学科には物性物理から、素粒子、原子核、宇宙線・宇宙物理の分野まで幅広い分野のスタッフがいて、 協力して学部・大学院の教育に当たっています。柔軟な思考力と学習意欲に満ちた皆さんの活躍を期待します。

物理学科パンフレット(2023.4)

教員紹介PDF(2024.4)

大学院について

本学科卒業後、さらに物理学の専門的な研究を目指す学生のために、 2年間の大学院理工学研究科博士前期課程(物質科学専攻物理学PG)および、 3年間の博士後期課程(物質科学コース)がおかれています。 この大学院には理化学研究所の研究者が客員教員として加わっています。 これらのPG・コースでは高度に専門的な講義・輪講等が開講され、 また、指導教員の指導の下に修士および博士論文を提出し、 修士または博士の学位を修得することができます。 課程修了後は、高度な専門知識を活かして、 民間企業の研究部門や、大学・研究所等へ就職しています。